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ちょっと長めの独り言

いとし面影(辻村深月「かがみの孤城」感想)

ずっと積読していたかがみの孤城、冬休みを利用して読了。読みやすくて上下巻一気読みでした。以下ネタバレありの感想。








本屋大賞だけど、ぜひとも学校に行きたくない全国の小中学生に読んでほしい。文庫版で読んだんですけど文字のサイズが大きめだったり、漢字のふりがなが振られていたりと出版社も小中学生が読みやすいように意識して製本されているのかなと思った。
・私はスクールカースト最底辺の小中学生時代を送ったので、なんか色々思い出しながら読んだ。いやこの本の主人公は運動のできるイケメンに好かれていたし、スクールカースト最底辺というより突然槍玉に上げられた感じでしたが…。無意識にウレシノを見下す感じとか、うわあわかる、ってなってた。
・大人が読むと年代のズレについてはすぐわかっちゃうし、オオカミ様やフリースクールの先生の正体とかも読み進めるうちに検討がついちゃうんだけど、この本は本当に小中学生の救いの本になると思うんだよなあ。子供の頃って学校って人生の全てで、なにかうまくいかないと本当に人生終了って気持ちになる。大人になってみて振り返れば全然そんなことなかったなって思うんだけどもね。子供たちの気持ちの一時避難場所というか、おんなじ境遇の子供が頑張る話ってそれだけで救いじゃないですか? そういう一冊になると思うんだよなあ。
・ウレシノとフウカは大人の私も普通に胸キュンですね。素敵だなあ。「未来で待ってる」じゃん!時をかける少女じゃん!

小中学校の図書室に置いてくれ。面白かったです。