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ちょっと長めの独り言

絶えなば絶えね(若竹七海「さよならの手口」感想)

さよならの手口、読みました。本当はこのミス入選作品を読もうとしてたんだけど、図書館で貸出中だったのでこちらを選択。カズレーザーもオススメしてたと聞いてめっちゃ期待しながら読んだ。
以下盛大なネタバレです。







1つの巨大な事件を追っているように見えて、実は複数の事件が重なり合っている。それがとき解されていくのがとても楽しい。
大きな風呂敷を広げて、畳み切っている。すごい。すごいなあ。素直に感心してしまった。

謎解きはめちゃめちゃ面白いけど、読後感はザラっとしている。ハッピーエンドではない。後味の悪さ。

私、めっちゃ印象に残ったのが岩鄉家の話なんだよね…。お母さんのことめっちゃ好きになってしまった。お母さん、葉村が来る前からずっと無意識では犯人が分かってたのかなあ。あえて意識を向けないようにしてたんだろうか。芦原吹雪の家からお父さんの遺体が見つかってほしいって、そんな悲しいことってある? テレビでお母さんの姿を見て駆けつけてしまう葉村の気持ちわかる…。そんなのいても立ってもいられないよね。
お父さんとお母さん、田舎で畑してて欲しかったなあーー!絶対いいお父さんじゃん、お母さんのこともめっちゃ大事にしてくれそうじゃん、だから犯人辛すぎる。。2人が送っていたであろう幸せな隠居生活を思うと。。息子バカヤロー!