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ちょっと長めの独り言

中室牧子「『学力』の経済学」感想(産休日記17日目)

読みました。ツイッターでフォロワーさんが読んでたやつ。
以下印象に残った部分まとめ。

・日本では教育施策に科学的根拠が必要だという考え方がまだ浸透していない。財務大臣などが「私の経験によると…」と主観的な持論を展開したりする。
・アウトプット(テストでいい点数を取る)に対してご褒美をあげるより、インプット(テスト勉強を○時間する、読書する、宿題を終えるなど)に対してご褒美をあげたほうがテストの点数が上がる。子どもたちはどうしたらテストの点数が上がるのかわからないから。
・ご褒美は子どもたちの勉強のやる気(一生懸命勉強するのが楽しい)という気持ちを失わせるものではない。
・子どもが小さいうちは、ご褒美はトロフィーなど。中高生以上にはお金のほうが効果的。
・勉強ができるから自尊心が高まるのであって、逆ではないことは研究結果で示されている。自尊心のみを高めても学力は向上しない。むやみに子どもを褒めると実力の伴わないナルシストを育てることになる。
・子どもの能力を褒める(頭がいいのね)と、子どものやる気を削ぐ。褒めるなら、努力を褒める(よく頑張ったわね、努力家ね)。
・一日1時間のテレビやゲームは影響なし、一日2時間を超えると負の影響が大きくなる。
・「勉強するように言う」は全く意味なし。エネルギーの無駄遣い。横について勉強を見たり、勉強する時間を決めて守らせることが必要。
・男の子には父親、女の子には母親が関わるとよい。
・学力の高い友達の中にいると、自分の学力にもプラスの影響あり。ただし、もともと学力の低い子だと優秀な友人はマイナスの影響。自信を喪失させる。
・ルームメイトから成績の影響を受けることはないが、行動(飲酒、喫煙なと)は影響を受ける。負の影響が大きいなら引っ越しを検討。
・人的資本への投資は小学校入学より前が一番効果が大きい。塾とかじゃなく、人格形成、体力、健康。
・非認知能力(まじめ、計画性がある、やり抜く力がある、先生との関係が良い)は学校卒業後も子どもを成功に導く。
・やり抜く力が大事。
・自制心の項目でマシュマロ・テスト出てるけどこれ再現性ないんじゃなかったっけ?
・自分の能力は生まれつきのものではなく、努力によって後天的に伸ばすことができる、と信じる子どもはやり抜く力が強い。
・4つのしつけ(嘘をつかない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)を親から教わった人は年収が高い。しつけは子どもの勤勉性に因果関係をもつ。
・非認知能力は人生の長い期間にわたって計り知れない価値をもつ。しかし、親の多くは非認知能力を過小評価しかち。
・そういう意味では生徒会、部活、社会貢献活動などは有用。
・少人数学級は学力向上の効果はあるが、費用対効果が低い
・学力テストはほぼ公立校だけの結果となっており、私立を含めると東京、神奈川などが上位。

なかなか面白かった!