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ちょっと長めの独り言

夏服に着替えよう(「葬送のフリーレン」感想)

面白かったです。4巻まで読みました。以下ネタバレに配慮されていない感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ、私の中の脳内テーマソングは元ちとせ「語り継ぐこと」です。


元ちとせ「語り継ぐこと」 / HAJIME CHITOSE「KATARITSUGU KOTO」 MUSIC VIDEO -Short version-

 

 

・寿命の差とか、残された人の生き様とかが描かれているんですけど、しみじみとした寂しさがよい。

・人間の妻が愛した村を守るドワーフのエピソードが好きだった。ドワーフは歳をとりすぎてなぜ自分がその村を守っていたのか忘れちゃうんですけど、フリーレンが寂しそうな顔をするんですよね。フリーレンは自分が寂しいとか悲しいとか思うことが少なそうなんですけど、そういう、目の前の人が大切な思い出を手放しそうになっていることに寂しさを感じられる人なんだなあと。

・フリーレン、恋愛感情とか生殖本能とかが薄いらしくて長命種っぽくて良い。

・記憶を失おうとしているドワーフに対して、「私が未来へ連れていくよ」って言うフリーレンがよい。

・ヒンメル、フリーレンのこと好きなんでしょ?もう付き合っちゃえよ…!って読者は思うんですけど、フェルンとシュタルクと違ってヒンメルもうこの世にいないんだよな。もう付き合っちゃえよどころじゃないんだよな。

・ヒンメル絶対フリーレンのことではなく好きだ思うんですけど、1話でフリーレンと再会した時もうおじいちゃんになってるわけじゃないですか。「もう会えないかと思ったよ」とか軽く言ってるけどさ。きっと50年くらいフリーレンのこと待ってて、このまま会えずに死ぬかもしれなくて、いやどんな気持ちでその50年過ごしたのかなって。どんな気持ちでの「もう会えないかと思ったよ」なのか。

・フリーレンはフェルンとの旅でヒンメル達との度の思い出の跡を見つけたりするんですけど、彼が残した銅像はフリーレンのためのものだったことに気が付くんですよね。そして気がついた時にはヒンメルはもういないんですよね。もういないんです。

・で、こういう繊細な機微みたいなものを描いているかと思えばパーティメンバーは最強の面々がそれっていて、かつ周りにはそうと分からないので、今流行りの「俺TUEEEE系」(?)の要素もあり、幅広い読者層を獲得可能。本屋大賞も納得ですね。


面白かったです。ハンターハンターのハンター試験ぽい雰囲気で終わったので次巻が楽しみですね。