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ちょっと長めの独り言

敷きつめられた希望(高野秀行「アヘン王国潜入記感想」)

読みました、アヘン王国潜入記。前にソマリアの本が面白かったのでこの人の本また読みたいなって思ってたんですけど、旦那さんの本棚でたまたま発見。やっぱり面白かったです。
以下感想です。





・恒例というか、やっぱりアヘン中毒と呼べるくらいアヘンにハマってて面白かった。
・ちょうどミャンマーでクーデターが起きているタイミングで読めたのも良かった。この本を読んでなければ本当に他人事のニュースとして聞き流して、なんの記憶にも残らなかっただろうから。ちょっとでも引っかかる鍵になってくれた。
ミャンマーと中国の関係について読んでたので、クーデターもウッ…てなってしまった。香港の件しかり、中国への印象が悪化の一途を辿ってしまう。
・外から、安全な立場から勝手に軍事政権に屈しないで、若い人たち、って思ってしまうけどミャンマーの人たちが苦しくないのがいいな…。つらいな…。
・アイスンにもうアヘンはやらないって約束したのに速攻破ってアヘン吸ってたの面白かった
・村をあげて自分の送別会やってくれているのにアヘン吸いに出て半日帰ってこないのも面白かった
・シラミに悩まされててここまでやれるのすごいな!ってなった
・ワ州に入っていける著者のコミュ力凄まじすぎる。この人コミュ力オバケですよね…
・アヘン、1本の板の上をずっと歩く感じらしい。快楽が増えるというより快楽の器が小さくなる。修行僧的な感じ。なおアヘン中毒者を外から見ると全然そんな感じはなく廃人と呼ぶにふさわしい感じらしい。
・もしかして瞑想とかも同じような効用があるのでは?



面白かったです。世界の解像度が上がる。