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ちょっと長めの独り言

グレン・グールドに寄せて

クラシック、というか音楽全般さっぱり分からない私だが、最近よく耳にするピアノ曲がある。バッハの「ゴルドベルク変奏曲」である。

最初の出会いは「羊たちの沈黙」。正直映画のなかでどのように使われていたかは覚えてないのだが、視聴後、余韻に浸りながらレクター博士についてのウィキペディアを読み、この曲の存在を知った。あの博士が好きな曲。きっととんでもない音楽なのだろう。溢れる興味をそのままにyoutubeで視聴したことを覚えている。

2回目の出会いは「時をかける少女」だった。そして3回目は、「そして父になる」であった。

私は先述のようにクラシックに全く詳しくない。だがしかし、これだけの映画に採用されると言うことは、やはりとくべつな音楽なのだろう。

こうやって繰り返し繰り返し見る作品に現れると、謎の親近感を覚える。

ゴルドベルク変奏曲といえば、グレン・グールドとなるらしい。(最近まで名前を知らなかった。)彼のピアノは、私のイメージでは金太郎飴である。ころころとして、均等で、素直な色をしている。ころころ。

彼と対比されることの多いキース・ジャレットは、流体っぽい。そして、深みがある色をしている。(ここまで書いて思うのは、単にペダルの使用の有無による違いなのかもしれない。)

私はグレン・グールドの方がすき。どちらが好きかについては、完全に好みの問題であるとも思う。

 

話がそれてしまった。私の生活の中で何度も出会う音楽。きっとこれからも何度も出会うのだろう。再開するたび、「また会ったね」なんて笑顔になれるような音楽。素敵だなあと思います。そういう素敵なものに、これからも出会える人生でありたい。

わたしのかみさま

私は占いが好きだ。定期的にハマってしまう時期が訪れる。昔は西洋占星術にとっぷり浸かっていたし、一時期は四柱推命を熱心に勉強していた。タロットとか易とか、その時々で結果が変わるような占いは余り得意ではなかった。(興味が薄かったと言えばいいのか。私は持って生まれた運命やら才能やらに興味が向いていた。)

最近、昔は全く興味のなかった手相に興味を持ちだした。

手相について勉強しているうちにショックを受けたのは、自分の手相の運命線である。

手首の真ん中から中指の付け根にかけて走る線を運命線というらしい。私の運命線は、手首の真ん中から割とくっきりまっすぐ線が走り、そして親指の付け根くらいの高さで音もなく消えていっている(ように見える)。これは、「幼少期は自ら努力し充実した人生を過ごすが、25歳頃から運は下降の一途をたどる。そしてそれは努力不足等、自らの責めに帰すものである」ということらしい。(なんかもっと違得表現だった気もするけど、少なくとも私はそういう風に受け取った。)この運命線の意味を知ったとき、心臓がきゅっと縮まる思いがした。身に覚えがありすぎる。思い当たることが多すぎる。

というわけで、最近は割と仕事に身を入れてがんばっている。(心を入れ替えて仕事に励めば、手相も変わってくるらしい。)また、体力をつけるのもいいらしく、最近はスポーツとランニングをがんばっている。今週末は初の10kmランニングに挑戦する予定だ。

手相に踊らされている気がしなくもないが、結果的にはいい方向へ進んでいるのでよしとする。最近の私は右手の運命線とにらめっこしながら、「のびろ、のびろ」と唱えつつ、日々私なりに努力しながら生きている。

私の愛しのエポニーヌ

先日、名作映画「レ・ミゼラブル」をDVDで鑑賞しました。それはもう素晴らしい映画でした。銀の燭台のシーンからジャン・バルジャンが天寿を全うするシーンまで、延々と涙を流し続けていました。歳を取ると涙もろくなって困ります。
で、本当に素晴らしい映画だったのですが、ミュージカル映画で一番好きかというと、また違うんですね。私の中でのミュージカル映画暫定一位は「オペラ座の怪人」です。
以下の通り理由を自分で分析してみました。
ちなみに私、音楽はさっぱりわからないのでその軸での評価はありません。ミュージカル映画の評価の仕方としてそれでいいのかという疑問はありますが、わからないものはしかたがないのです。

○画面の華やかさ
オペラ座の怪人の圧勝です。
レ・ミゼラブルは本当に画面が暗い。特に前半。明るいシーンはキリスト像の前でジャン・バルジャンが悔い改めるシーンくらいでは?
革命が始まってからは動きのあるドラマチックなシーンが多くで好きです。

オペラ座の怪人は華やかです。舞台裏で階段を駆け下りるバレリーナの娘、花で溢れかえった楽屋、レースがたっぷり使われた舞台用の衣装。乙女心をくすぐります。オペラ座そのものがとっても美しいです。
特に好きなのは怪人の住まい!!!
移動手段が「水路を船で渡っていく」というのがもうたまりません。灯りがロウソクというのもいい。(しかも人間の腕をかたどった燭台!) 薄暗くて美しい水路を抜けると、怪人の住まいに着きます。水面から燭台が次々と現れ、自動で明かりがつくという謎の仕掛け。家具も古めかしくて美しい。
関係ありませんが、この怪人の住まいを見て神風怪盗ジャンヌを思い出しました。種村有菜先生にここを背景にして扉絵を書いていただきたい。オペラ座だし、「満月をさがして」あたりで。

○ヒーローのイケメンさ
誰をヒーローとするかは悩むところですが、とりあえずヒロインとくっ付く方とします。マリウスとラウルですね。
…ラウルの勝利!(独断)
実はアンジョルラスが一番好きです。かっこよくて歌も上手です。

○ヒロインのかわいさ
クリスティーヌとコゼットですね。甲乙つけがたく、悩ましいですが、僅差でコゼットの勝利としたいと思います。
これまた実は、ファンティーヌが一番好きです。というかアン・ハサウェイが好きです。すごいよ。あんなに美しいのにあんなに歌上手なの反則だよアン・ハサウェイ

○主人公の魅力
ジャン・バルジャンとファントムですね。お二人は私からはケチつけようがないので同点です。
これまた実は、ジャベールが一番好きです。あの頑なさ。もっと器用に生きられれば。愛しいですジャベール。

○女性脇役の魅力
エポニーヌとメグです。
どっちもとても好きです。
どっちもとても好きです!!!!

私はどうしたってコゼットではなくエポニーヌに共感してしまいます。虐げられた幼少時代を送ったものの、ジャン・バルジャンに救い出され、愛されて真っ直ぐに育った美しいコゼット。犯罪者の両親に育てられ、恐喝の手伝いをするエポニーヌ。エポニーヌが一途な思いを向けていたマリウスが、コゼットにひとめぼれしたところを見てから、どうしようもなくエポニーヌに幸せをつかんでほしいという思いが溢れかえります。報われろ…!
そんな私の思いは届かず、エポニーヌはマリウスの腕の中で息絶えます。エポニーヌ…幸せになって欲しかった…。

長々とエポニーヌについての思いを綴ってしまいましたが、レ・ミゼラブルは泣ける、オペラ座の怪人は美しい、総合的にはオペラ座の怪人のほうが好きです、という話でした。
おわり。

カボチャと値札と黄金の滝(と日向ヒナタ)

先日、軽井沢ニューアートミュージアムへ行ってきた。正確にはニューアートミュージアムの中にある一階のショップ(入場無料)に行ってきた。

ここでしみじみと実感したことがある。
美術作品を見るとき、横に値札が貼ってあると、普段と違う楽しみ方ができる。
というか普通に作品を見るより、値段を意識しながら見るほうがずっとずっと楽しい(個人的な感想)。

普段ならスルーしてしまうような作品も、値段が書いてあることで「エッこの絵にそれほどの価値が…?」と足を止めてしまう。興味の対象が広がる。
一度見たことのある作品も、「エッこの絵にそれほどの価値が…?」と魅力再発見。
作品の価格を知ることで、「700円の入場料で総額2億円の作品たちを見ることができた…!」とお得感がある。

など、値札が貼ってあることで今までと違う楽しみ方ができました。こういう楽しみ方ができたのはあくまでその場所がミュージアムショップだったからで、多分美術館の作品でやるのは難しいのかなーとも思うのですが、常設展の一部の作品で期間限定のような形で取得価格公開イベントみたいなものがあったら絶対面白いなーと思ったりします。私はそのイベント行きたい。

その他雑感、以下、箇条書き。
草間彌生のカボチャの絵、1000万円。マジで?マジで?
草間彌生の絵はギャルっぽい。ショッキングピンクと黒。あとラメラメ。きゃりーぱみゅぱみゅはパステルカラーかわいい、草間彌生は原色かわいい。
・他にもショップに飾ってあった絵、円を書いただけの絵が20万円。
・20万円の価値が理解できない自分が悔しい。



ほか、軽井沢の千住博美術館へ行ってまいりましたので、せっかくなのでそこの感想も書いておきます。

・館内が広い
美術館のなかはワンフロアで、自然光がたくさん入っていて(作品の保存に影響はないのか?)、広々としている。外には季節の草花。惜しむらくは当日雨が降っていたこと。あと床がところどころ傾いていて(もともとの土地の傾斜を残している)、なれるまで酔ったような気持ち悪さがある。

・ディフォール/ナイトフォール
千住博美術館の中で一番好きであった、暗闇の中、発光する静かで神秘的な滝。

この作品を見て感銘を受けながら、ぼんやりと思い出してました。アニメ版NARUTO、日向ヒナタ守護八卦六十四掌特訓の回。全身滝に打たれながら特訓する彼女の、肌に張り付いた布のエロさ、それを超越する神々しさ。素晴らしい回でした。もう一回見ようかな。
一途に打ち込む日向ヒナタの静けさと近寄りがたいまでの神々しさ。夜の闇に包まれた彼女の妖しいまでの美しさ。それらを彷彿させる素晴らしい作品でございました。ディフォール/ナイトフォール、イチ押しです。

麗しのグィネヴィア(ナイトミュージアム感想)

fate/zeroが好きです。キャラクターで言えばセイバーが好きです。そしてキャメロット勢はみんな好きです。
そんな私にとって、fateシリーズでの不満はランスロットの顔が見えないことでした。せ、せっかくのイケメンなのに! すぐさまその甲冑をぬげ!

そんな不満を抱えていた私は、思わぬところでランスロット卿と出会います。そう、ナイトミュージアム〜エジプト王の秘密〜です。
ランスロット卿が登場した瞬間、思わず悲鳴をあげました。まさかこんなところでランスロット卿without鎧に出会えるなんて。
テンション上がりすぎてとても目が冴えているので、映画内でのランスロット卿興奮ポイントを挙げてみました。以下の通りです。

○イケメン
それはもうイケメンです。どれくらいイケメンかというと、愛用の剣ではなく拳でトリケラトプスを昏倒させるくらいイケメンです。
お顔は口ひげをたくわえたワイルド系イケメンです。お顔もかっこいいですがやっぱり騎士様は戦ってなんぼです。特にトリケラトプスとの戦い!!涙が出るほどかっこいいです。

○裏切る
さ、流石だなお前! 蘇ってもやっぱり裏切るか!信じてたのに!ばか!

○アーサーとグィネヴィアとランスロット
石版を奪ったのは、それがアーサー王の探し求めていた聖杯だったと気づいたからなのですね。つまりは裏切ったというよりは、生前仕えていたアーサー王のための行動だった。良いやつや。
そして、彼はアーサー王とグィネヴィアのいるキャメロットに帰ろうとした。やっぱり彼の帰る場所はキャメロットなんですね。

○ニックと仲良し
かわいい。

○鼻が溶けて垂れる
かわいい。

とてもいいランスロット映画でした。もう一回見ようかな。

映画「HERO」と雨宮の結婚について

映画「HERO」を見てきた。クスッと笑えた、という意味では面白かった。ストーリーとしては、要所要所でちょっと都合が良すぎるんじゃないかなーという感想。テンポ感は良くて、飽きない、とは思う。
印象に残ったこと雑感。

○雨宮の結婚について
私は過去のHERO作品を見ていない。CMや番宣で、あの10人ぐらいが横一列に並んで歩くシーンを見たことあったくらい。映画を見る段になっても、弁護士映画と直前まで勘違いしていた。
だからかも知れない。最後の雨宮の選択がとても意外に思えた。
初めてHERO作品を見た私にとって、雨宮の印象は「過去を克服する女性」だった。事務官であった過去を克服しけ検事となった女性。九利生に惹かれた過去を克服し、婚約した女性。過去と現在に折り合いをつけながら、自分の生き様を選択していく人。
彼女は、あの優しそうな婚約者と結婚するのだと思っていた。一つ年上の弁護士で、優しそうな人。お父さんは貿易会社を経営し、お母さんも雨宮のことを気に入っている。
けれど、彼女の選択は違った。九利生が好きなこと。仕事で経験を積んでいないこと。理由は一つではないが、とにかく彼との結婚は断った。
雨宮は、きっとあの婚約者と結婚しても、それなりに幸せになれたのではないかと思う。それとは違う道を、自分の意志で選んだ彼女が、もっと幸せになりますように。
雨宮は、このまま一生九利生の後を追って行くのかもしれない。ずっと一人かもしれない。九利生といろいろあって結ばれるかもしれない。雨宮を待ってくれた元婚約者と、いつか結婚するのかもしれない。
自分の人生を、より納得して歩んで行ってほしいなと思う。

蛇足になるが、今回の映画HERO、ストーリーは正直イマイチだったと思う。しかしそれを補ってあまりあるのが以下。
松たか子のいじらしさ
北川景子の美しさ
吉田羊かわいい
佐藤浩市めっちゃかっこいい!!
・大使めっちゃめちゃかっこいい!!ダンディ!!!すき!!!!

アウトプットチャレンジ

池上彰「学び続ける力」を読了した。読み終えて心に残ったこと、思ったことをいくつか記録に残しておく。

○本を「読む」だけではもったいない
私は読書が好きである。けれども不思議なことに、全く頭が良くない。これは常々不思議に思っていたのだけど、この本を読んで原因がわかった、気がする。
本を読むだけでは意味がなく、その後に思考しなければならないのだ。
読んで「すごいな」で終わらない。その内容は本当に正しいか?という批判でもいい。自分の既存の知識とつなぎ合わせて連想、知識を深めていってもいい。
読んで終わりではなく、読んだあとに自分の思索に入ることが大切である。

○アウトプットをする
私は本を読んでも映画を見ても漫画を読んでも、大抵「ああ、面白かった」で終わる。思索にふけるということは、滅多にない。
そんな私がインプットだけで終わらない、インプットしたあとちゃんと思考するためには、どうしたらいいか。多分、ひとつの方法は「アウトプットすること」なのだと思う。これからは積極的にアウトプットしていきたい。
本書にはメモの取り方と関連して
①キーワードを見つける
②キーワードを繋げる
③キーワードを使って論理的に話す
という手法が紹介されていた。これを使って私もアウトプットしていきたい。

○アウトプットチャレンジ
なぜ私はインプットばかりでアウトプットしないのか。原因として思い当たることがひとつある。私、アウトプットにものすごく時間がかかるのだ。
今、ここまで記事を書いただけで40分かかってる。
今後のチャレンジとして、「1つの記事を30分以内で書く」を目標に、日記を書いていきたい。

○その他
「すぐ使えることは、すぐ使えなくなる。逆を考えれば、すぐに役立つことはずっと役立つのではないか。それがリベラルアーツ(教養)である。」
ホントかどうかはともかく、教養を学ぶ理由としてこれを挙げられると納得してしまうかも。

リテラシーとは、読み書きの能力。メディアリテラシーとは、メディアを読み解く、正しく理解する能力。」
知らんかった。