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ちょっと長めの独り言

森戸やすみ「子育てはだいたいで大丈夫」感想(産休日記9日目)

読みました。いい本だった。図書館で借りたんですけど、ずっと手元に置くために購入しようか迷う…。
以下印象に残ったこと。


・「こんな子になってほしい」「理想の子供を手に入れたい」は非現実的で、子供に重荷を背負わせることになる。
・無痛分娩で気にして欲しいのは医療機関の選び方。医師が1人または2人しかいない診療所で事故が多い。私のクリニック、3人だなあ…
・「愛情不足」は周りの人間にとって便利な言葉で、なぜか母親にかけられることが多い。しかもなぜか見ず知らずの人から言われたりする。父にも同等の責任があること、子供の問題の責任を親に押し付けようとしても解決にはならないことを覚えておく。
・「授乳中はスマホを触らず赤ちゃんと目を合わせて語りかけましょう」みたいなのがあるが、それを1日に15分~1時間×10回以上繰り返すのは非現実的。
・エピソードとして「電車で妊婦に席を譲ったところ速攻でスマホを取り出したのでがっかりした、お腹を撫でて微笑んでほしかった」みたいなコメントが紹介されてたけど、恐怖エピソードすぎてびっくりした。空想イメージ妊婦じゃん怖い。
・テレビとスマホについて。一時的にテレビや動画を見せることに罪悪感を持たなくていい。ただ、視力は気になる。長時間使うと近視になる危険はある。
・育児に関するアドバイスについて。育児は非常に個人的な体験なので、アドバイスする側に問題がある。アドバイスすること自体、止めた方がいいな…。
・夜泣きのピークは6~8ヶ月。泣いても対応しない、泣いたら5~15分待って対応する、という消去法というやり方もある。
・赤子は泣くもの。どうにもならない。泣かせておいて大丈夫。
・母親が1人で寝る時間を確保。産後うつ対策。
・産院の退院から3ヶ月ほど、黄昏泣きで3~4時間泣く。
・泣き止まないのに加えて「何度も吐く」「下痢をする」「母乳やミルクを飲みたがらない」などの時は病気かもしれないので受診。
・子が泣いて抱っこすると抱き癖がつくと言われるが、たとえ本当だとしても愛着心を育てることもできるから問題ない。
・泣いているのにかまったり抱っこしないでいると「サイレントベビー」になるという説があるが、根拠なし。気持ちと体力に余裕がある時に声掛け、抱っこでよい。
・生後6週間は一日に4.4時間泣いてる。生後1年で1.5時間。そ、それでも長い…!
・子は離乳食を食べない。ご飯を食べるならおかずをご飯に混ぜる、遊んでいる隙に口にスプーンで入れるなど。苦手なものを好物に混ぜ込むと両方食べられなくなることがあるのでやめた方がいい。いずれにせよ食べない子は食べない。保護者の努力不足ではない。
・炭水化物、野菜、タンパク質が含まれていればよい。例えばご飯もパンも食べないならじゃがいもを食べさせるとか。
・子が太りすぎっぽかったら量を減らすのではなく野菜を大量にとる。まず野菜から食べて、肉やご飯は後に。
・1歳で意味のある言葉を1つ言えるのが指標。聴覚に原因があって発語が遅れる場合もあるので、早めに気がついてあげたい。1歳6ヶ月健診は必ず受ける。
・就学前教育が収益率が高いという見解が多いが、塾に通うというよりは、基本的なモラル、嘘をつかない、他人に親切にする、ルールを守る、体力をつけることなどを親から教わることが大事。
・歯が1本でも生えたら歯磨き必要。初めは専用クロスなどで拭き、なれたら年齢に合った歯ブラシに。子が大きくなっても、仕上げ磨きは大人がやる。歯が生えた直後にフッ化物を塗るといい。
・耳垢は頻繁に掃除する必要はなく、お風呂後に綿棒で水滴を取るくらいでいい。塞がってたら耳鼻科へ。
・子育てに正解はない。断言するサイトなどに注意。トライアンドエラーでやっていくしかない。
・寝たがらない子を寝かしつけるのは超大変。昼寝させすぎない、日中運動させる、就寝前にテレビや動画を見せない、入浴、着替え、歯磨きを決まった手順で行う。何をやっても寝ない子は寝ない。
・寝付くまでそばにいる、泣くと抱っこする、を繰り返すと寝なくなるデータもある。一通りやってダメなら、「じゃあお休み」と言って寝室を去る、を試してみてもよい。
・ジュース、スポーツ飲料は注意。特に夜飲ませるなら必ずそのあと歯磨きする。
・ハチミツはNG。1歳以降はミニトマト、こんにゃくなど詰まらせやすいので細かく切る。
・小児科がいいか、耳鼻科がいいか、救急外来か、迷ったらこども医療電話相談(♯8000)にかけてもいい。
・子供は年に12回風邪になると思っておいたほうがいい。
・熱が高くなると子供の頭がおかしくなる、という話があるが、それはない。脳に影響が出るとしたら高熱のせいではなくウイルスや細菌による髄膜炎脳炎のため。
・お腹の風邪、ノロ、ロタには薬がなく、自然治癒を待つしかない。吐き気止め、下痢止めは2歳未満には原則禁止。脱水の予防と改善を行う。お腹が痛い時は使い捨てカイロなどで温めてあげるとよい。
・子育ては長いので、子供に対してマイナスの感情を持つ時は必ずある。自分を責めない。限界を感じた時は、まず自分が限界であること、疲れていることを認めて、いたわること。早めに誰かに頼る。まず夫。祖父母、子育て支援センター。かかりつけ医。


全体的に大変いい本だった。もう一度読みたくなったら買おう。