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ちょっと長めの独り言

「未来で待ってる」とは何か(映画「時をかける少女」感想)

もう何回も見てるんですけど、金曜ロードショーで放送されてたのでまた見ちゃった。「時をかける少女」。いい映画ですね…。
大人になってから見るとまた違った良さがある。
以下、感想、というか主にラストの考察です。







・10代で見た時はラストの千昭のセリフ、「未来で待ってる」を見て、「(どうやって再会できるかはよく分からないけど)千昭と真琴は未来で再会できるんだ…!」と無邪気に喜んでいたのですが、大人になってから観ると色んな解釈ができるなと改めて思ったんですよね。
・まず考えたパターン1は、未来に戻った千昭が、未来では失われたはずの例の絵画に出会うことで、絵画の保存に奔走した過去の真琴と間接的に出会う(真琴の存在を感じる)というパターン。無理が無いし、ストーリー的にも綺麗。欠点は少女向け映画としてはあまりに切ない。切なすぎませんか????
・パターン2は真琴が輪廻転生を繰り返して、記憶を保持したまま千昭の生きる未来に生まれるパターン。欠点はこの世界線に輪廻転生制度(?)があるのか謎。
・パターン3は、少し時間が経った現代に、千昭がやってくること。これがもしりぼん連載の少女漫画であれば、最終回、少し大人になった真琴が、少し大人になった千昭と現代で再会するシーンで締め、って全然ありますよね!?!?なんかタイムリープに伴う諸々の難しい問題は脇に置いておいての、強制ハッピーエンドありますよね!?!?!?ね!?!?!?
・ここで、「時をかける少女 ネタバレ」でググってみたんですけど、やっぱりパターン1派が多いよね。でもあくまで考察だし…パターン3を信じてもいいじゃない…?
・パターン1だと、「未来で待ってる」って言われた真琴が、目に涙をためて、でも目をキラキラさせて、「うん、すぐ行く、走っていく」っていうの切なすぎて…。うう…。
・うう…全てを踏まえてここめちゃくちゃいいシーンじゃないですか…。もう二度と会えない2人、もう会えないことが分かってるから、千昭は好きとか言わず(言えず)、あげく最後の言葉が「飛び出して怪我とかすんなよ」…。でも別れてから1人で泣きじゃくる真琴を見て戻ってきて、言い残すのが「未来で待ってる」。いいシーンだ。もう会えない真琴に残す言葉として、これ以上ない言葉な気がする。千昭が未来に行っても真琴を忘れないってことだし、これから生きていく真琴の支えと希望になる言葉だし、でも真琴を縛るような言葉でもない、優しい、優しいな千昭ーーーーー!うおおおおお!!!!!

金曜ロードショーが終わったあと、Twitterでエンディングカットに関するご意見が吹き荒れており、エンディングに関する記憶がなかった私はYouTubeで「ガーネット」を聴いてたんですけど、いい曲ですね…。
https://youtu.be/l08O1IGT5pw

・しかしより私に刺さったのは「変わらないもの」ですね…
https://youtu.be/Lq2-HHP04jM
「訳もなく君を怒らせた 色んな顔の君を見たかったんだ」って…千昭ぃぃぃぃ!

・あと私の好きなゴルトベルク変奏曲が劇中流れるのもいい。
https://youtu.be/NvtoaHaG6ao


・あと気になるのは魔女おばさんなんですけど…。魔女おばさんに救いはないんですか!?まあ本人が全然救いを求めてなさそうではある。このまま1人で老衰で死んでも全然後悔なさそうな様子。でも…でもさ!!!いつか必ず戻ってくるって言ったんでしょ!?ちょっと高校生時代に出会ってた未来人!!!!見てる!?!?はよ来て!!!!!!!



いや久しぶりに見たら面白かったです。よい映画でした。