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ちょっと長めの独り言

胸に嵐を(架神恭介ほか「よいこの君主論」感想)

「よいこの君主論」、ずっと読みたいなと思っててこの前ついに楽天ブックスで購入。面白かったです。
以下感想です。







・小学5年生の子供たちが「お友達グループ」のトップの座を狙う話。そして計略を用いてお友達グループの拡大や吸収合併を図り、最終的にクラスの統一を目指す話。を、マキャベリ君主論」を用いて解説する。
・面白いんだけど、多分本家「君主論」を読んでる人の方がもっと楽しめる。
・はなこちゃん好きになる。あんなキャラなのに最後のりょうこちゃんのエピソードで泣いているのがよい。
・小学生のスクールヒエラルキーに例えるのは名案。駄菓子屋の妙計とか天才。
・あと普通に君主って大変そうだね。清濁併せ呑むというか、綺麗な気持ちだけでは統治ってできないんだなあ
世襲君主は統治が簡単。なぜなら平民は君主の血筋に支配されていることに慣れているから
・統治方法を良かれと思って変えると後で思わぬ害悪を産む。マキャベリはこれを浅慮と呼んでる。
・反対は激しく、賛同は弱いので新しい物事を始めるのは大変。そういった人達に自分の言うことを信じさせるには力づくしかない。
・いい極悪非道と悪い極悪非道がある。いい極悪非道は最初にまとめて1度きり行うもの。また、恩恵は時間をかけてゆっくりほどこすこと。平民はすぐに恩を忘れるので。
・傭兵はダメ。傭兵たちは自分が死なないように相手の傭兵と交渉して戦争するフリをしたりしてた。なので他の国とかから攻められるとボコボコにやられたり逃げ出したりする。
・援軍もダメ。裏切られた時のリスクが高い。
・政権を守るために受け入れなければならない悪評もある。
・美徳は必ずしもいい結果をもたらさない。まあやちゃんのプリン。あれは難しい判断だよね…。
・君主が美徳に従っているのは有害。君主には悪に手を染めなければならない時が来るので。ただし、美徳を身につけてるっぽく振る舞うのは大事。必要な時は躊躇いなく悪徳を行えることが大事。

これ読むと君主って大変だなあと思う。内部反乱を押さえ込みつつ、外国からの計略を防ぎつつ、策を弄して己の勢力を拡大していかないといけない。超大変。
読み物としては面白かったです。オススメ。