愛をくれし君の懐かしき声がする(上野誠「入門万葉集」感想)
読了しました。以下感想です。
序文がめちゃめちゃキャッチー。韓国での万葉集の講義が満員だった話から始まり、新海誠「言の葉の庭」、そしてその作品に登場する和歌の解説に移る。この序文、20代30代のオタク達はグッと引き込まれるんじゃないかなあ。あとがきで著者がこの本は若者をターゲットにしたものだと語っており、まさに狙いどおりでめっちゃ上手な序文だと思う。
額田王が推しなので、複数取り上げられててちょっと嬉しい。もっと取り上げてほしい。
好きだったのは「天の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」(作者不記載歌)ですかね…。
私、プレバトの俳句で今まで出てきた中でキスマイ千賀の「雪原や 星を指す 大樹の骸」が好きなんですけど、それに通じる壮大さとかロマンとか物語を感じる…。好き。
あと「春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子」も好き。こちらは絵が綺麗だよね〜素敵。「春眠暁を覚えず」みたいな絵が美しい春の歌。
本当に一瞬で読める。特に残るものは無いけど通勤時間にちょろっと読むのにいいかも。