極楽鳥の地(トマス・クック「孤独な鳥がうたうとき」感想)
いや、大変面白かったです…。
以下めっちゃネタバレです。
恩田陸「ドミノ」のハードボイルド版っぽい。
読んでいる最中すごく印象的だったのが、逃げ出したセーラと夫トニーの記憶の違いですよね。最初がセーラ視点なので彼女に感情移入しながら読んだんですけど、トニーが思い出すのは幸せな2人の生活の記憶ばかりで、運命的な2人の出会いやら美しいハネムーンの記憶が語られるんですよ…そして自分にはセーラ以外考えられないみたいな…。えっこれセーラ視点で考えるともう恐怖でしかなくないですか? ホラーじゃん?? あ、セーラがどう受け止めていたのか全くわかってなかったんだ…ってなってた。トニーのこと激ヤバモラハラサイコパス系夫なのかと思ってた。トニーごめん。
ラストでセーラが逃げたかったのはレオからだったということがあかされて、「えぇ!?」と思って冒頭読み返したらセーラがクソミソに語ってるのはレオだけだった。トニーについては下着を床に放り投げてるとしか言ってなかった。
カルーソが玉を追加で5発詰めた時点で、これでレオ死ぬんだろうなって予想はついたんですけど、それがわかっていたとしても爽快感のあるラストだった。(映像的には全然爽快じゃなかったと思うけど)
でもハッピーエンドで良かった〜!
かなり気合い入れて読んだんだけど、気軽に読める内容でした。