「陸上は北斗の拳、海上はONE PIECE」という噂のソマリアを、筆者がめぐった体験を綴った本。以下、忘備録。
○ソマリアは北部は英国、南部はイタリア領であった。ソマリアの「ア」はイタリアの「ア 」と同じく土地を表す。ソマリアとは「ソマリ人の地」。
○同じく国連に国として認めてもらえないもの同士、ソマリランドと台湾が同盟結ぶ案は良さそうな気がしたんだけど、台湾のイメージ悪すぎて笑った。中国よりイメージ悪いもよう。(製品の品質のイメージか?)
○もしかしたら、今の状態がソマリランドにとって一番いいのかもしれない。国連に国として認められず、南部ソマリアでは内戦が続いている状態が。国際社会から無視されてきたからこそ、この奇跡のような平和とシステムが構築されたとも見れる。
○だがしかし、国としての経済力か小さすぎて、国民がディアスポラ(国外で働く氏族)からの仕送りで生活してるっていうのもなかなかキツいなあと思う。
○あと奇跡の国ソマリランドを巡りその国の社会システムを綴っただけでは出版社に売り込めず、その目で修羅の国南部ソマリアを見るため再度アフリカに飛ぶの、世の中世知辛いなって思う。
○チンピラ通訳にうんざりした筆者、カート(食べると気分が高揚する葉っぱ)をむしゃむしゃしてチンピラ通訳と一緒にヒャッハーするという解決法、最高すぎる。
○難民キャンプで暮らす人、アメリカで働く母から4000ドル送ってもらおうとするの、生きる力感じる。
○ソマリアの歴史は氏族単位だが、ニュースで氏族は報道されない(地域のみ報道される)ので、外国人から見ると何が起きているのかさっぱりわからない。
○プントランドの政治は野球のリーグ運営方式。各チーム=氏族。
○ある一つの物事を、それぞれの立場の人の枠組みで見ると、それぞれ全然違うものとして見えていることがわかる。それを実地で解説してくれるこの本、とてもとても面白いと思う。
○1番都会人でマイルドなのは南部ソマリアモガディショの住民!北斗の拳の地が1番都会的!
○過激派アルシャバーブを支援するエリトリア、なんでアメリカや国連が制裁しないかというと、あのへんで数少ない非イスラム教国家で、イスラエルと仲良しだからっていう。まさかの。
○アルシャバーブはマオイストに似ている。農村の生活は素晴らしい。農村の生活に帰れ。農村ではアルシャバーブの支持率は相対的に高い。農村で暮らす人々には、アルシャバーブの掟を守ることは難しくない。
○名ゼリフ「過激派元気で留守がいい」
はー面白かった。何より、筆者がソマリア、ソマリランド大好きなのが伝わってきてよかった。過去、ブータンについての本も書いておられるようなので、それも読もう。