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ちょっと長めの独り言

ソーダ・ゼリーの暑い夏(奥田英朗「イン・ザ・プール」感想)

またしても米原万里シリーズ。奥田英朗イン・ザ・プール」。
米原万里さんは声を出して笑い転げたそう。
以下感想です。

一瞬で読める。「ジェノサイド」はドキドキ感、ハラハラ感でページめくる手が止まらない感じだったけど、こちらは圧倒的読み易さ。読み進める時の抵抗が全くない。スルスル読める感。

好きだったのは最後の短編、火事が心配で家から出れない男の本。なんだか民話とか伝承かな?って感じのオチのついたストーリー。ハッピーエンドっていいよね。
あとメールが止められない男子高校生の話、「メール一通3円」とか書いてあって、そうだよな〜そんな時代もあったよな〜とか思った。懐かしいな。そして元ネクラで誰からも重視されてない男子高校生、身に染みる。ネクラがキャラ変しようとするとこういう事態に陥る。

面白かったんだけど、声を上げて大爆笑!とまではいかなくて残念。でもこういう話好きな人は沢山いるだろうと思う。人間のマイナスの側面を、皮肉とたっぷりのユーモアを交えて書かれた短編集。