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ちょっと長めの独り言

不自由なこと探し(鈴木大介「脳が壊れた」感想)

読了しました。「最貧困女子」を書いた鈴木大介さんが、脳梗塞で倒れ、その体験を綴ったもの。
いや本当にめちゃめちゃ面白かった。早くも2019年ナンバーワン書籍に出会ってしまったかもしれない。。

脳梗塞で脳の一部が機能しなくなり、人を真っ直ぐ見られなくなったり、感情を抑えることが出来なくなる筆者。そういった経験を通じて、今までインタビューで出会ってきた貧困層の女性や詐欺グループの少年らはもしかして(自分と同じような)生涯を抱えていたのでは?と気づいたりする。
脳梗塞で脳の一部が機能しなくなるという経験」って、普通は経験しないじゃないですか。いやこれから経験するかもわからないけど。で、この鈴木大介さんという圧倒的な筆力を持った人が綴ることによって、「脳梗塞で脳の一部が機能しなくなるという経験」を追体験することが出来る。これって本当にすごいことだと思って、本当に読書って凄いな、本って凄いなと改めて思ってしまった。そしてこの手で触れるようなリアリティ、鈴木大介という人であったからこそ書けた本だと思うし、この体験を書籍として残してくれたことに感謝したい。

後半には闘病生活と、これまでの人生を支えてくれた妻への感謝という名のノロケ(としか思えなかった!笑)が大量に綴られていて、笑ったしちょっと泣けた。なんか、こんな夫婦の形があるんだなあって。奥さん、世間から見て「素晴らしい妻」ではないんだけど、著者にとって唯一無二の存在で、人生でそんなにも大切に思える存在があるってなんと素敵なことなのかと思った。

あと睡眠時間は死守しようと思った。激務はあかん。そしてよく水分を取ろう。脳梗塞こわい。

いや本当に素晴らしい本だった…! この本を世に残してくれてありがとう。そして今後もたくさんの本を世に残してほしい!