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ちょっと長めの独り言

賢人は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ(池上彰「戦後史の学び方」感想)

池上彰「戦後史の学び方」読了。この本の中で最も衝撃を受けたのは過去の学生運動についてであった。
あさま山荘事件も壮絶だが、その前に行われた「総括」での集団リンチにより、30名弱のメンバーのうち12名をリンチで殺害した事件は、背筋が寒くなった。他、よど号ハイジャック事件パレスチナ空港無差別殺人など、凄惨な事件が相次いだが、これらは1970年前後の事件である。たった、40年ほど前の事件である。私の親の世代は、リアルタイムで事件に立ち会っている。

これらの事件、名前はよく耳にするが、所詮過去の出来事だと思っていた。事件もごく簡単な概要だけ聞いて、へー、でもこの時代はテストには出ないから覚えなくていいや、くらいの気持ちだった。
改めて事件の概要を知って、衝撃を受けたのは、事件が起きたのはたった40年ほど前であり、また彼ら犯人が私の同年代であったからかもしれない。
今、私が彼らのような誤りを犯すか、事件を起こすかと問われれば、否、と応えると思う。
だがしかし、本当にそうなのだろうか。私が彼らの時代にいたら、彼らと同じ状況に置かれていたら、本当に彼らと違う道を辿れただろうか。

この本を読んで、改めて、自分の中にある「彼らになり得た可能性」が恐ろしくなった。私の中にも、間違いなく存在しているのだろう、彼らは。

私は、どうすれば彼らと違う道を辿れるのか。それを考えることは、きっとこれからの私の宿題の1つなのだと思う。