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ちょっと長めの独り言

成すことは我にあり(映画「カメラを止めるな!」感想)

鑑賞しました。カメラを止めるな。以下ネタバレです。






※ネタバレ厳禁の映画だけど大変なネタバレです。













TSUTAYAで借りて見たんだけど、ネットの感想でもネタバレ厳禁と言われてるしTSUTAYAでもネタバレ厳禁の貼り紙されてるし、その時点でおおよそのあらすじが察せられてしまいませんか? そんなことないですか?
・私は伏線回収系が大好きなので楽しく鑑賞しました。大量の伏線回収。
・何となく恩田陸「ドミノ」を思い出しました。いや全然違うかもしれないけど。
・ストーリーが物凄く面白いかって言われるとそこまでではないと思うんですけど、なんかこういうものを見せられてしまうと映画製作に対して愛しさを感じてしまう。広く映像制作という分野に対しても。あー一つ一つがこんな形で作られているんだなって。いやもちろん全部がこんな風に作られてる訳ではないと思うんですけど、私みたいな映像制作分野に理解のない一般人が、そのバックヤードに思いを馳せるきっかけになる映画ということで、こちらの映画の功績は大きいんじゃないかなと思いました。

でも主人公親子はいくらなんでも顔が似て無さすぎると思います。面白かったです。

僕の名前を呼ぶのはだれ(映画「渇き。」感想)

鑑賞しました。映画「渇き。」。
以下ネタバレ感想です。

小松菜奈、ぴったり。いやあ見た目の美しさって暴力だね
オダギリジョーがめちゃくちゃかっこいい。ほんと。びっくりするほどかっこいい。ショッピングモールの屋上駐車場、青空の下に現れる長身のオダギリジョー(スーツ)。最高です。「…許せるか?」って聞かれたらかなり悩みながら許してしまいそうなところがある。は〜かっこいい。
妻夫木聡もかっこいい。サイコパスみがある。
はてなブログで全てのネタバレを読んでから映画鑑賞したんですけど全然面白かった。この映画に関してはネタバレたっぷり読んでたからこそ楽しめたのかも。ネタバレてると、ストーリーを必死に追わなくてもいいから。

とにかく小松菜奈の小悪魔的魅力に溢れまくっていた。良い映画でした。

パンとワインを(近藤史恵「サクリファイス」感想)

読みましたサクリファイス。以下感想です。
大変なネタバレです。


・1度読んだことを忘れて2度目の読了。2度目でも面白かった。
・お話は大変面白いけど決して爽やかスポーツ小説ではない。もちろん爽やかスポーツ部分もあるけど読後感は胸糞高血圧。
・何が胸糞って袴田に対してですよね。報いを!受けろよ!!って思ってしまった。袴田本当に最悪では????3重のトラップ仕掛けて、そこには悪意しかないんだよ…。せめて石尾さんの真実を知って悔恨している描写が欲しかった。まあそれが入ると「僕はワインを一滴も飲んでいないよ」の印象が薄れてしまうからかもしれないんですけどね。
・袴田、わりと重めの犯罪者であることに間違いないと思うんですけど、彼と香乃がラストで結婚したのホラーじゃない?
・香乃の異性の好み激ヤバでは????
・香乃…袴田の行いを知らずに結婚…ヤバ…

なんか批判みたいなのばっかり書いてしまったんだけどめちゃくちゃ面白いと思う。ただし話がクソ重たい。前半、ただの面白い爽やかスポーツ小説なんですけど騙されてはいけない。読後、タイトルの重みが身に染みる。重い!!!

キラー・クイーン(ポール・ギャリコ「猫語の教科書」感想)

読みました。「猫語の教科書」。以下感想です。

・かわいい。ネコちゃんかわいい。ネコちゃんの写真がいっぱい載ってる。
・写真もっと載せてくれてもいい。
・ネコによるネコのための自己啓発本。意識高い系ネコ。
・あるいはネコ視点での人間研究書。
・強制的なコペルニクス的転回。人間はネコに支配されていたのだ。
・文庫フェアか何かで本屋さんに平積みされていたんだけど、フェア対象本の中でこの猫語の教科書だけがラスト1冊だったみたい。これ絶対買っていったのFGOプレイヤーだよね!?この街に!いる!FGOプレイヤー!
・芥ヒナコ、なんで猫語の教科書(ではなく、犬語の参考書)読んでたんだろうね。人間以外の生物が人間をコントロールしようとする本書を読んで、何を考えていたんですかね…。
・芥が「声なしのニャーオ」をすれば項羽はなんでも言うこと聞いてくれると思うよ。
・兎にも角にも文庫フェアの担当者は大変グッジョブであった。このタイミングで猫語の教科書の教科書を入れてきたのは偉いと思う。きっと出版業界とってはFGOって商機だと思うので、まだまだFGOブーム利用して頑張って儲けてほしい。FGOプレイヤーに金を落とさせるんだ。

鎮魂(井上太郎「我が友モーツァルト」感想)

読みました。「我が友モーツァルト」、多分母が数十年前に購入し家の本棚にずっと置かれていた本。
以下感想です。

モーツァルトの人物像はそこまで驚きはない。FGOアマデウスと近い。サリエリも登場するのでFGOプレイヤーは楽しく読めると思う。
・死んでから手紙とか私信とかプライベートな部分を大衆に公開されるの辛くない?私なら辛い。化けて出る。
・「うんこうんこ」みたいな手紙はまだしも性の部分を赤裸々に書いた手紙とか…私なら化けて出る…
フリーメイソンなのは知らなかった。
・プライド高いイメージもなかったので驚き。
・「魔笛」に関するエピソードが多かったので魔笛鑑賞したくなった。
・話は戻るけど、歴史に残る人になると恥ずかしい手紙とかが公開されるの辛くないですか。死人に個人の尊厳とかないんだろうか。
・以前、横浜ヌード展で、ターナー死後にターナーのエロ絵が発見された時、遺産管理人が彼の名誉を守るためにほとんど処分したってエピソードがあったんですよ。それ聞いた時は「なんてもったいない…!」と思ったんだけど、遺産管理人の「彼の名誉を守りたい」という目的からすればある意味ではその行動は正解だったのかもしれない。あと私がターナーだったら遺産管理人にめちゃくちゃ感謝していると思う。

本としてはそれほど面白くなかったけど、いろんな角度から楽しめました。

汝を如何せん(Fate/GO「人智統合帝国SIN」感想)

クリアしました。FGO2部3章。
以下、大変なネタバレです。










・シナリオが虚淵玄だと公表されていて、ド鬱シナリオを覚悟してたら幸せな虚淵玄だった…良かった…。
・実は2部の1章や2章より感動が少なかった。2部は構成上どうしても「行き止まりの世界」を旅することになるので、主人公(やマシュ)の葛藤やエンディングの迎え方がどうしても似たりよったりになってしまうんだろう。
もちろんその定められた枠組みの中でどうやって世界を描くかがシナリオライターの腕の見せどころなんだろう。でも正直なところ「前も似たような展開見たな…」って思ってしまった。
バーサーカー、いい役だったね。かがやいていた。
・コヤンスカヤちゃんの中華風立ち絵がめちゃくちゃめちゃくちゃかわいい。とにかくめちゃくちゃかわいい。好き。
始皇帝の口調がお茶目で全然憎めない。
・中国史全然分からないマンなので、項羽がどういう人物なのか分からないまま読んでしまったのがもったいなかったなあ。三国志も分からないので「馬だな」っていう感想しかなかった。
Fateシリーズのいいところって、プレイヤー人口が多いのですごくたくさんの、そして幅広い考察が読めるんですよ。今回も始皇帝ギルガメッシュの対比とか読めて楽しかった。

それは恋ではなく(映画「ボヘミアン・ラプソディ」感想)

見ました…。今話題のボヘミアン・ラプソディ。最高でした…。

もう映画の素晴らしさを伝える感想は世の中に溢れてると思うんです。なので、以下は私の心に強烈に残ったフレディとメアリーの関係について書きたい。

フレディとメアリー、すごくエモい関係だった。クラブで出会って、付き合ってるあいだすごく素敵な雰囲気だったんだ…。朝、身だしなみを整えるメアリーを見ながらフレディが「すごく綺麗だ」って呟いたりして。プロポーズのシーンもすごくよかった。
だからフレディがゲイであることを告白するシーンは辛かった。フレディがバイであるって言ったのに、メアリーーは「いいえ、あなたはゲイよ」って言うんだよね…。メアリーは感覚として「恋人として愛されていない」っていうのがあったのかな。
でもフレディにとって特別な人には変わりないんだよ。メアリーはフレディがゲイだってわかって結婚指輪を外そうとするんだけど、フレディが「待ってくれ、その指輪は一生外さないって約束したじゃないか」って言うんだよね…。フレディにとってメアリーは恋人としての愛ではないかもしれないけど、唯一無二の人なんだよ…。

フレディとメアリーは別れた後も隣同士の家で、夜になったら窓際のランプで合図を送り合うんだよ。このシーン、ドリカムの「テールランプ5回でアイシテルのサイン」を思い出した。

フレディのライブでメアリーが彼氏連れて来た時、フレディが固まってしまったのが辛かった…。メアリーは恋人じゃなかったけど、フレディにとって大切な人、代わりのない人だったんですよね。そんなメアリーに、大切な人、おそらくフレディよりも大切に思う人ができた。そんな衝撃。
それはポールと一緒に住んでいた家にメアリーが来てくれたシーンでも同じようなつらみを感じた。メアリーが妊娠したことを告げた時、「うそだろう?」って反応を思わずしてしまったフレディ。最低の反応だと思うけど、気持ちはわかるんだ…。クイーンのメンバーは、みなそれぞれ妻や子供、家族を持っている。自分にだけは家族はいない。メンバーはクイーンの皆は家族だと言うけど、そう言いながら本当の家族を持っている。そういう引け目?虚しさ?を感じながらソロでレコーディングする中で現れたメアリーは救いの女神のように見えて、けれど彼女にも本当の家族ができたことが「妊娠してる」の一言で分かってしまったんだ。メアリー、君も僕を置いていくのかい。

結局彼女の言葉がクイーン再集結のきっかけになる。フレディの周りには、クイーンメンバー、恋人が集まり、エイズに犯された身体で残された人生を幸せに生きていくんだ。

この恋人関係じゃない男女の関係がとても好きで…。フレディにとってメアリーは恋人じゃないけど、友人というには彼女はあまりにも特別で、この関係はどう言い表したらいいのかな〜と思ってたら劇中でフレディが言ってくれました。「運命の人」。運命の人ですよ。なんて的確な表現…。
あと他に的確な表現知ってる。こういうの「尊い」って言うんだよ。

見てる最中は「ポールクソだな…」って思ってたんだけど、なんか全部ポールのせいみたいにされてポールも可哀想だなって思った。

あ〜〜〜フレディとメアリーの関係が見れただけで本当に価値のある映画だった…。それプラス映画も最高なので。クイーン、リアルタイムでは聞いてないので、あっこの曲ってそんな風に作られたんか〜〜〜!という驚きがある。ウィーウィルロックユーとか。Another One Bites the Dustとか。もちろんボヘミアン・ラプソディも!
見たあと絶対カラオケ行きたくなると思います。私もヒトカラしてきた。